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プラズマや、プラズマトリート、表面処理全般についてご不明な点はございませんか?
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プラズマトリートのOpenair-Plasma®技術には、ほかの表面処理方法と比べてどのような特長と利点がありますか?

プラズマトリートのOpenair-Plasma®(オープンエアープラズマ) 技術の主な特長と利点は以下の通りです。

大気圧下での稼働:
Openair-Plasma®は大気圧下で運用するため、真空チャンバーが不要です。これにより、システム構成が簡素化され、コスト効率の高いプロセスが実現できます。

高い汎用性:
この技術で処理できる材料は、プラスチック、金属、セラミック、複合材料など幅広く、自動車、エレクトロニクス、医療などさまざまな産業に応用できます。

局所的な処理:
Openair-Plasma®は、必要な箇所のみに選択的に処理を行えるため、表面改質プロセスを精密に制御できます。複雑な形状や精密な部品の処理にも有効です。

環境への配慮:
Openair-Plasma®プロセスでは通常、空気や環境負荷のないガスを使用します。有害な化学物質を用いるほかの表面処理方法と比べて、よりサステナブルな方法です。
また、独自の構造によりオゾンフリーを実現し、環境負荷の低減に貢献します。

密着性の向上:
Openair-Plasma®処理は、材料表面の密着性を高めます。このため、コーティングや接着剤、インクなどが定着しやすくなります。

高いプラズマ生成力:
業界最高クラスのプラズマ生成力により、対象物の表面の洗浄と活性化を同時かつ迅速に行えます。

優れたコスト効率:
Openair-Plasma®は圧縮空気 (エアーコンプレッサー) を利用したドライプロセスのため、ランニングコストを抑えることが可能です。

インライン統合が容易:
真空プラズマで必要とされる大掛かりな付帯装置が不要なため、既存の生産ラインに容易に組み込むことができ、環境に優しく、省スペース化も可能です。

モニタリング機能:
プラズマトリート独自のPCU (プラズマコントロールユニット) 技術により、プラズマ生成する高周波放電の印加ポイントでのプラズマ出力を直接かつリアルタイムで測定できます。
これにより、電子・半導体部品製造などにおける高品質・高信頼性プロセスに対応したモニタリングやトレーサビリティが可能となります。
 

大気圧プラズマ装置Openair-Plasma®を稼動させるには何が必要ですか?

電源 (100V/200V/230V/400V、いずれにも対応) や、エアーコンプレッサー (または工場エア) です。
作業環境によっては、局所排気設備の導入を推奨しています。

Openair-Plasma®でガラスの表面前処理もできますか?

はい、できます。太陽電池や自動車のサンルーフ、フロントガラスなどによく使われています。

Openair-Plasma®はどの程度の生産スピードで表面処理できますか?

処理スピードは、材料に求める接着強度に応じて、ノズルの移動速度やノズル先端から対象までの距離などの条件で決まります。
これまでの実績では、2 - 30m/分の採用が多く見られますが、局所的な処理を得意とするPFW10では、最高900m/分の処理速度を達成した実績もあります。
形状や素材によっても処理効能や基材ダメージの程度に違いがあるため、まずは弊社ラボでのデモを通じて、お客様のニーズに合わせた最適なパラメーターをご提案します。

溶剤を使う従来の方法をOpenair-Plasma®技術に置き換えられますか?

置き換えられる可能性があります。
Openair-Plasma®による表面改質・表面洗浄などの表面前処理は非常に高い効果が得られるだけでなく、揮発性有機化合物 (VOC) を使用しないため、環境にもやさしいプロセスです。
さらに、機械制御によるドライプロセスのため、自動化・効率化・表面処理の均一化などが容易で、多くの導入実績があります。
当社のプラズマ装置は業界問わず、さまざまな分野で数多く採用されており、豊富な実績とノウハウをもとに、お客様に最適なソリューションをご提供します。

Openair-Plasma®とサンドブラストなどの洗浄方法の違いは何ですか?

サンドブラストも酸化皮膜や汚染物質を除去しますが、構造的に薄い材料の場合、基材そのものを削ってしまう恐れがあります。さらに、処理後に発生する砂を安全に回収しなければならない手間もあります。
また、サンドブラストの場合、表面を洗浄できても、活性化はできません。このため、濡れ性を向上させたり、接着剤がより強固な共有結合を形成できるように酸素を導入してヒドロキシル基を形成したりすることはできないのです。
接着や熱伝導において、このような表面化学は非常に重要です。

プラズマ表面技術が複合材料に適しているのはなぜですか?

通常、複合材料への前処理は、電気伝導率や熱伝導率が異なるため、非常に困難とされています。
Openair-Plasma®プロセスは低温プラズマでありながら、業界最高クラスのプラズマ密度により、迅速かつ効果的に前処理を行うことができます。
その結果、処理対象となる複合材料へ悪影響を与えることなく、優れた表面改質が可能となります。

さらに、プラズマ処理を利用することで、従来は実現が難しかった材料の組み合わせも可能になります。これにより、設計や材料選択の自由度が大きく広がります。

なぜプラズマトリートの大気圧プラズマ装置は簡単に生産ラインへ組み込めるのですか?

当社のOpenair-Plasma®は、プラズマを照射するためのノズルが非常にコンパクトで、ケーブルの長さ範囲内であればノズルを自由に動かしてご使用いただけます。また、真空プラズマと異なり、真空槽や減圧ポンプが不要です。
さらに、Openair-Plasma®は、特別なガスを必要とせず、オゾンフリー技術であるため、法令に基づくオゾン除外設備などの特別な付帯設備も不要です。

これにより、お客様の生産条件や既存の生産ラインをに合わせた柔軟な設計が可能となり、生産ラインへの組込が容易となります。

Openair-Plasma®はどの程度の騒音が発生しますか?

78 dBであり、聴覚保護が推奨される業界基準に近い水準です。
プラズマノズルはロボットセル内に設置されるため、稼働音は軽減されます。

どのようなランニングコストが発生しますか?

当社の大気圧プラズマ装置Openair-Plasma®による表面処理プロセスでは、主に電力と圧縮空気、プラズマノズルやフィルターなどの消耗品がランニングコストとして発生します。
既存装置の部品に関するお見積もりやお問い合わせは、下記の「お問合せ」、または info@plasmatreat.co.jp までご連絡ください。

Openair-Plasma®は熱に敏感な素材へも処理可能ですか?

可能です。Openair-Plasma®のプラズマガスは、射出孔付近で約 300℃ となりますが、燃焼炎と比較すると低温に分類されます。
独自の機構により業界最高密度のプラズマガスを射出できるため、素材までの距離が離れていても、あるいは処理速度を速めても十分なプラズマ効果が得られます。
さらに、Openair-Plasma®は熱が素材に影響を与える前に処理が完了するため、熱に敏感な樹脂素材や半導体部品の製造プロセスなどでもすでに導入され、活用されています。

プラズマ処理で有害排出ガスは発生しますか?

一般的な大気圧プラズマ処理ではオゾンの発生が問題視されることがありますが、当社のOpenair-Plasma®で圧縮空気を使用した場合、オゾンの発生は極めて微量に抑えられており、第三者機関による測定結果もあります。
一方で、窒素酸化物 (NOx) や一酸化炭素 (CO) の発生、さらに表面に付着した物質の洗浄効果による気化によって、微量な有害ガスが発生する可能性があります。そのため、局所排気の設置を推奨しています。

Openair-Plasma®はどのようにEVバッテリーの熱伝導を高めるのですか?

Openair-Plasma®処理によって汚染物質を除去し、表面の分子構造を変化させることで (すなわち表面の凹凸を低減) 、熱伝導性接着剤の濡れ性が向上し、より広い面で接触できるようになります。
これにより、セルと冷却プレートが密着し、熱を閉じ込める原因となる隙間や気泡がなくなり、効率的な熱伝導が実現します。

Openair-Plasma®を使用する際は特別なガスが必要ですか?

Openair-Plasma®は特別なガスを必要とせず、オイルフリーの圧縮空気だけで運用可能です。
さらに、アプリケーションに応じて、圧縮空気以外の特別なガスをご使用いただくことも可能です。
また、自前のエアーコンプレッサーや工場エアがない場合でも、コンプレッサーや圧縮空気用フィルターを付帯したシステムとして納品できますので、お気軽にご相談ください。

プラズマ処理前に化学洗浄は必要ですか?

いいえ、表面に極端な汚れ (例:アクスルグリース) が付着していない限り、必要ありません。マシニングオイルやスタンピングオイルであれば、付着していても問題ありません。
このように、化学薬品や揮発性有機化合物 (VOC) を使用せずに処理できる点も、プラズマの大きなメリットです。

Openair-Plasma®はバッテリー筐体の腐食防止に役立ちますか?

Openair-Plasma®自体は表面を洗浄・活性化するための技術です。
腐食保護には、PlasmaPlus®(プラズマプラス) のAntiCorr®技術を用い、表面にガラス状の極薄膜をコーティングすることで、酸化膜を通じた塩分の侵入を防ぎます。

プラズマビームの照射範囲に感電の危険性はありますか?

導通状態でなければプラズマガスで感電することはありません。ただし、照射中にノズル孔に直接触れると、ノズル内部の放電により感電の危険があります。
一方、ノズル本体は内部で絶縁対策が施されているため、稼働中であってもノズル外側に直接触れて感電する危険性はありません。

表面の活性化効果はどのくらい持続しますか?

表面の活性化効果の持続時間は、処理する素材によって異なります。
改質効果は処理直後が最も強く、時間の経過とともに徐々に薄れますが、処理前よりも高いレベルで安定します。
接着、塗装、コーティングなどの生産工程は、プラズマでの表面処理の直後に行うことが理想的ですが、Openair-Plasma®による改質は、他の前処理法と比較して極めて高い長期安定性を示します。

持続効果についてテスト処理をご希望の際は、ぜひ弊社へお問い合わせください。
お客様の用途に応じて、活性化効果がどのように作用するか、詳しくご説明いたします。

プラズマノズルと処理対象面との距離はどのくらいですか?

表面処理に使用するガスや対象となる基材、求める効果によって、最適な照射距離は異なります。
一般的には約5 - 20 mmで使用されることが多いです。
距離の調整は非常に簡単で、生産工程での導入も容易です。さらに、部品は機械的な摩耗や損傷を受けません。

複雑な形状や3次元形状を処理することは可能ですか?

プラズマトリートのOpenair-Plasma®は、平面だけでなく、溝や小さな領域などの凹凸や複雑な形状の前処理にも効果的です。

Openair-Plasma®プロセスは、材料の質量特性に影響を与えますか?

このプロセスは、イオンが材料表面と反応するプラズマ表面処理技術であり、材料の質量に影響を与えることはありません。

Openair-Plasma®プロセスに関する科学的な文献はありますか?

弊社のパートナーであるフラウンホーファー (Fraunhofer) 研究所が、大気圧プラズマ技術Openair-Plasma®をはじめ、プラズマナノコーティング技術PlasmaPlus®など、多くのプラズマ関連技術に取り組んでいます。
関連文献は弊社を通じて入手可能です。さらに詳しい情報が必要な場合は、お問い合わせください。