ガラスへのスクリーン印刷におけるインク密着性の最適化 ― ポリマーコーティングを施したボトルへの印刷にも対応
製造工程の最終段階では、輸送時の摩擦によるボトルの破損や擦り傷を防ぐため、ガラス表面にコーティングが施されます。
その後、これらのガラスボトルには、一般的にスクリーン印刷による加飾が行われます。使用する印刷インクが十分な密着性を確保できるかどうかは、製造時に施されるコーティングの種類によって大きく左右されます。特にポリマーコーティングを施した表面において、強固なインク密着性と均一な発色を実現するためには、表面エネルギーを高めるプラズマ活性化が不可欠です。
堅牢なプラズマノズルとシンプルなインライン統合を特長とするOpenair-Plasma®技術は、ガラス容器に必要な表面活性化を安定して実現する最適なソリューションです。
環境に配慮したガラスのサテン加工 (艶消し・梨地加工) ― 上質な外観と質感を実現
Openair-Plasma®による前処理は、従来のサンドブラストや酸化アルミニウムブラスト、フッ酸処理 (フッ化水素酸処理) に代わる、環境に配慮した表面処理技術です。プラズマを用いた精密な表面前処理により、ガラス表面の密着性を高精度に向上させることができます。これにより、サテン加工工程で塗布される粉体が、その後の焼成工程においても確実に定着します。
Openair-Plasma®プロセスは、サテン加工装置にインラインで組み込むことが可能なため、工程全体の短縮と設備構成の簡素化を実現します。その結果、プロセス全体のコスト効率の向上にも寄与します。
コーティングを施したガラスへのラベリング ― 気泡のないノーラベルルックの実現
通常、ガラス表面は極性を有しており、水に対する濡れ性が高いため、湿式ラベリングは問題なく行えます。しかし、ガラス容器にポリマーコーティングが施されている場合、一般的に用いられるカゼイン系接着剤の性能を十分に引き出すためには、ラベル貼付部への前処理が必要となります。
Openair-Plasma®用ノズルの一つであるRD1010は、インラインへの組み込みが可能で、熱による影響を最小限に抑えながらコーティングを施したガラス表面を活性化し、濡れ性を向上させます。
洗練されたデザイン表現には、ノーラベルルック (ラベルを貼っていないように見える外観) の粘着ラベルが用いられます。プラズマ前処理により、微細クリーニング (プラズマ洗浄) と表面エネルギーの選択的な向上を同時に実現できます。Openair-Plasma®を用いることで、こうしたラベルを気泡なく安定して貼付する工程を大幅に簡素化できます。
改ざん防止ラベル ― Openair-Plasma®前処理によるガラス・金属への高い接着信頼性
ボトルやガラス容器のキャップにラベルを貼り付ける前にプラズマ前処理を施す用途は、Openair-Plasma®プロセスが初期から採用されてきた代表的なアプリケーションの一つです。
パッケージ内容物の安全性を確保するためには、改ざん防止キャップや酒税ラベルなどの封止ラベルが必要となります。これらのラベルは、ガラス面に貼付されたメインラベルの上から、金属または樹脂製のキャップ部分にまでまたがる形で、確実に接着されなければなりません。
このような用途で使用されるキャップは冷間成形プロセスによって製造されており、その際に使用される潤滑剤が表面に残留することがあります。そのため、接着工程に先立ち、微細クリーニングによる表面洗浄が必要となります。
Openair-Plasma®によるプラズマ前処理を施すことにより、メインラベルと封止ラベルの双方を、同一の接着剤で安定して貼付することが可能となります。
食品用途に適したナノコーティング ― チューブ・缶向けの防食性能と高品質な印刷を実現
アルミニウム製の缶やチューブを使用する場合、内容物と包装材が直接接触することでアルミニウムの腐食が生じ、食品の品質低下につながるおそれがあります。そのため、特に食品用途では、包装材の内面を中心に、用途によっては外面にもコーティングを施す必要があります。また、低温殺菌などの製造工程においても、包装材に対する腐食の影響が高まります。
PlasmaPlus®(プラズマプラス) コーティング技術により、プラズマノズルを通じてガラス質の超微細ナノコーティングを成膜することが可能です。このナノコーティングは、材料使用量を最小限に抑えながら、包装材に高い防食効果を発揮する保護膜を形成します。さらに、プラズマコーティングは、高品質な印刷を実現するための理想的なプライマー層としても機能します。