フロントガラス | 揮発性有機化合物 (VOC) フリーで環境にやさしいガラス接着
自動車製造においてフロントガラスを取り付ける際、セラミックコーティングが施されたガラスの端部は、車体金属の塗装フランジに確実に接着する必要があります。
従来は十分な接着強度を得るために、化学プライマーによる処理が欠かせませんでした。しかし、プライマーには揮発性有機化合物 (VOC) が含まれており、製造工程中に環境へ放出されるだけでなく、車両使用中にも残留するリスクがありました。
フォード・モーター社は、この課題に対応し、業界で初めて湿式化学処理に代わる環境にやさしいVOCフリーの自動化プロセスへの切り替えに成功しました。
それが、PlasmaPlus®(プラズマプラス) によるプラズマポリマーナノコーティングです。この技術は、自動車用接着技術分野におけるプラズマの新たな応用例として評価されています。
この工程ではまず、 Openair-Plasma®(オープンエアープラズマ) によって、セラミックコーティングされたガラス表面を微細に洗浄し、同時に高い表面活性化を実現します。続いてPlasmaPlus®ナノコーティングを直ちに選択的に適用することで、ポリウレタン (PU) 接着剤とフロントガラスのガラス‐セラミック表面との長期にわたり安定した接着が可能になります。