家具製造において重要となるのは、美しい質感と外観を備えた高品質な部材です。軽量家具や機能性家具の開発は、デザインの自由度が広がる一方で、新たな素材の組み合わせや高度な製造プロセスが求められています。高まり続ける需要のなかで、コスト効率に優れた製造プロセスの導入が重要な決め手となっています。さらに、VOC規制に適合し、環境負荷の少ないVOCフリーの家具が求められています。
プラズマトリートは家具業界において豊富な知識と経験を有し、家具産業の軽量構造協会であるIGELのメンバーとして活動しています。当社では、お客様とともに、先進的かつ効率的な表面処理プロセスの開発を進めています。
シンプルな物理プロセスによる大気圧プラズマ技術Openair-Plasma®(オープンエアープラズマ) を用いて前処理することで、MDF・WPC・PVC・PP・木材など幅広い基材に対して優れた表面活性化を実現します。
その他の主な特長と利点:
- リサイクル材などの代替材料への対応
- 適用可能な接着剤の拡大
- エッジ部分をプラズマで高品質に仕上げるなど、効率的な製造プロセス
- 製造品質の安定化と歩留まり向上
プラズマトリートは、Niemann社、Jowat社、エッジ加工機メーカーIMA社と共同で、ゼロボンドラインを実現する先進的な「Düstec®プロセス」を開発しました。Düstec®によるプラズマエッジプロセスでは、装置内で接着剤を使用せず、接着剤の代わりに機能性ポリマー層を活用します。このプラズマプロセスに対応したエッジバンドは、複数のメーカーからさまざまな仕上げで提供されており、用途に応じて選択できます。
エッジバンディング装置での加工時に、この機能性ポリマー層はプラズマによって瞬時に活性化され、家具パネルに圧着する際にエッジバンドが直接かつ強固に接着されます。これにより、高品質なプラズマエッジが形成されます。
家具用プロファイル材の無溶剤ラッピング加工
家具用プロファイル材には、中質繊維板 (MDF)、パーティクルボード、PP・PVCなどのプラスチック、さらに近年は木材と樹脂を組み合わせた木材プラスチック複合材 (WPC) などが広く使用されています。これらのプロファイル材は、家具の仕上げ材やエッジストリップ (エッジバンド)、インテリア向けパネルなど、幅広い用途で使用されています。ラッピング工程では、プロファイル材に装飾フィルムを巻き付けて仕上げを施します。ラッピング装置内でフィルムに接着剤を連続的に塗布し、加圧ローラーによって均一に貼り付けます。
Openair-Plasma®は、フィルムを圧着する直前のタイミングで、家具用および窓枠用プロファイル材に対して効果的な前処理を行います。これにより、本来は接着性に乏しい非極性プロファイル表面でも、溶剤を使用しない無溶剤接着剤の使用が可能になります。さらに、接着促進剤 (プライマー) を追加で塗布する必要がありません。
プロファイルラッピングにおける Openair-Plasma®の主な利点として、特に信頼性の高い連続プロセス運転と、シンプルで再現性に優れた工程設計が挙げられます。