PT-Bondによる耐久性のある接着

PT-Bondは、当社のPlasmaPlus®(プラズマプラス) 技術によって生成される、特殊なナノ薄膜の接着層コーティングで、基材表面に機能性を付与します。PT-Bondを使用する際には、大気圧環境 (常圧) 下で生成されるプラズマビームにガス状のプリカーサーを注入します。基材は超薄膜の透明なプラズマポリマー層でコーティングされ、この層が接着促進剤として機能し、さまざまな材料の接着信頼性を高めます。

 

素材別アプリケーションのご紹介 (ページ内の項目に移動します):

プラスチック  ガラス  金属

特長と利点

プラスチック、ガラス、金属に対応するPT-Bond

  • 汎用的な用途:プラスチック、金属、ガラスなど、さまざまな素材に適用可能
     
  • 必要箇所へのピンポイント処理:目的に応じた選択的なコーティング処理が可能
     
  • 長期安定性のある接着:高い耐久性・密着性を実現し、異種材料の接着を強化
     
  • 持続可能なプロセス:VOCフリーで環境負荷を低減する、エコフレンドリーな技術
     
  • 効率化された生産プロセス:乾燥や硬化工程が不要で、生産ラインの効率を向上
     
  • 包括的なプロセス監視:プラズマ処理のパラメータを最適化し、一貫した品質を維持
     
  • 完全自動化:インライン処理が可能で、大量生産にも対応

PT-Bondの名前の由来

PT-Bondという名称は、Plasmatreat (プラズマトリート) とBond (接着) という2つの要素から成り立っています。

・「PT」は、Plasmatreatの略称であり、Openair-Plasma® (オープンエアープラズマ) 技術を活用した革新的な表面処理ソリューションを提供するエキスパートを象徴しています。

・「Bond」は、安定かつ信頼性の高い材料同士の接着 (ボンディング) を可能にする技術を表しています。

このように、PT-Bondは最先端のプラズマ技術を活用し、優れた接着性、耐久性、環境適合性を兼ね備えたソリューションです。

PT-Bondが選ばれる理由

PT-Bondは、基材表面に直接ナノスケールの接着促進層を形成することで、溶剤や水性プライマーを使用せずに接着を可能にします。
プラスチック、ガラス、金属への接着を最適化し、温度や湿度の変動などの過酷な条件下でも耐久性のある接着を実現します。

また、PT-Bondは環境に配慮したコスト効率の高いソリューションであり、VOC排出の削減、化学廃棄物の回避、そして生産工程の効率化を可能にします。
さらに、PT-Bondは完全自動化に対応しており、産業用途における最高水準の効率性要件を満たしています。

PT-Bondで実現する、プラスチックの長期安定接着

VOCフリーのプラズマ技術 PT-Bondは、工業生産における表面処理用途において、水系および溶剤系のほぼすべてのプライマーに取って代わることが可能です。

プラスチックに対する接着力が、接着剤自体の凝集力を上回るためには、接着の耐久性を保証し、厳格なプロセス要件 (DIN 2304) を遵守しなければなりません。

  • (左図) PT-Bondで処理した場合:凝集破壊
    この場合、接着剤は両基材にまたがって破断し、接着剤内部で割れが生じます。
     
  • (右図) PT-Bondで処理しない場合:接着不良
    この場合、接着剤は接着面から剥がれ、一方の基材側にのみ残ります。

課題解決へのプロセス

使用するプラスチックによって表面エネルギーは異なり、前処理だけでは高い接着力を得ることはできない場合があります。
さらに、一部の添加剤は接着剤と組み合わせられることで、接着に悪影響を及ぼすこともあります。また、プラスチック表面に対する接着剤の濡れ性が不十分な場合も、接着不良につながることがあります。


プラズマトリートは、接着が困難なプラスチックに対して、PlasmaPlus®技術を用いてPT-Bondプラズマポリマー層を塗布することで、こうした接着課題を解決します。
二官能性のPT-Bond層は、プラスチックと接着剤の両方に対し、接着を促進します。

コンサルティングと資料

当社のOpenair-Plasma®テクノロジーが、お客様のプロセスをどのように最適化できるかをご紹介いたします。

アイデア段階から導入後まで、お客様のニーズに合わせた柔軟なサポートを提供し、プロセスの安定運用を維持できるよう支援いたします。

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PT-Bondで実現する、安全なガラス接着

美観と堅牢性が重視される場合、ガラスは好まれる素材です。しかし、ガラスは耐薬品性があるため、特殊なプライマーを使用しなければ接着が非常に困難です。
そのため、プライマーを接着促進剤として塗布する際には、マスキングを行い、目に見える部分への過塗布による汚染を防ぐことが重要です。

ガラス接着部は、長期にわたり熱膨張係数の差による応力に耐えなければなりません。
STPU、PU、SMポリマーのような構造用接着剤は、接着促進剤なしでは接着しにくくなっています。

PT-Bondコーティングは、ガラス上での接着剤の耐久性を最大限に高めます。
破壊パターンは常に凝集破壊を示し、極端な負荷がかかった場合でも、接着界面よりも接着剤自体の方が先に破断するほどの強固な接着が実現します。

PlasmaPlus®重合システムの導入により、自動車のフロントガラス接着工程では、従来の湿式化学前処理を完全に置き換えることが可能になります。

まず最初に、プラズマ回転ノズルによって、セラミック印刷部の超微細洗浄と高い活性化を行います。その直後に、ナノレベルのPlasmaPlus®コーティングを施し、最後工程として接着剤を塗布します。

このプロセス最適化により、ナノ薄膜接着層に必要な材料を大幅削減でき、コストを削減できるだけでなく、プロセス全体の完全自動化も実現可能になります。

コンサルティングと資料

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PT-Bondで実現する、金属の長期安定接着

金属とのハイブリッド接着は、多くの接着剤が一方の材料には適していても、もう一方には不適切であるため、困難を伴うことがあります。

PT-Bondによる表面前処理を行うことで、接着強度が向上し、耐久性と安定性のある接着が可能になります。
従来のプライマー塗布とは異なり、PT-Bondの塗布は完全な自動化と乾燥時間が不要といった特徴により、生産プロセスへのシームレスな統合を可能にします。


接着接合においては、異なる温度下での機械的負荷、天候の変化、さらには溶剤やその他の化学物質との接触といった条件に対する耐性が、決定的な要素となります。
軽量構造など、材料の組み合わせが進化するなかで、接着促進剤なしでは接着できない、あるいは接着力が不十分な構造用接着剤に対する新たな要求が次々と生じています。

プラズマトリートは、PlasmaPlus®技術を用いて金属表面にPT-Bondのプラズマポリマー層を形成することで、こうした接着の課題を解決します。これにより、プライマーを使わずとも腐食を防ぎ、耐久性と強度に優れた金属接着が可能となり、難しい接着にも対応できます。
PT-Bond層は、基材と接着剤の両方に対して接着促進剤として機能します。

コンサルティングと資料

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アイデア段階から導入後まで、お客様のニーズに合わせた柔軟なサポートを提供し、プロセスの安定運用を維持できるよう支援いたします。

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AEC Illuminazione Srl社 -
街灯用ガラスとステンレス鋼の前処理

この動画では、PlasmaPlus®処理の次のようなメリットを紹介しています。

  • 接着プロセス全体の自動化
     
  • プライマーの代替
     
  • 高速プロセス、乾燥時間不要、溶剤不要
     
  • コスト削減:
    PUR-FIPG (ポリウレタン・フォームインプレイスガスケット) 1種類で、複数のガスケットタイプを置き換え可能